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アフリカ現代美術による対話型鑑賞会を開催

  • pe2s-isgi
  • 8月24日
  • 読了時間: 3分

8月18日午後、アウラの森芸術舎は、伊豆の国市の就労継続支援B型「ブルービート」併設カフェにて、アフリカ現代美術を用いた対話型鑑賞会と制作発表会を開催しました。本企画は、アーツカウンシルしずおか「文化芸術による地域振興プログラム」地域はじまり支援による「アフリカルチャー・クリエイティブ・エイジング&インクルーシブ・プロジェクト」の一環として実施したものです。当日は10代から80代まで幅広い世代の約12名が参加され、そのうち4名は施設利用者の方々でした。


対話型鑑賞会

ファシリテータ:板野泉さん、中野佳子さん(アール・ゆるっと)

前半は、タンザニアのティンガティンガ派による3点の作品から選ばれた動物画を題材に鑑賞を行いました。動物の目に注目する見方、絵の中に“空白の時間”が流れているようだ、音楽が聞こえてくるようだ等、参加者からは自由でユニークな意見が次々と飛び出しました。続いてジョージ・リランガによる《シェターニ(精霊)》を鑑賞。「人間の目に見えない部分を耳や口で強調して表現している」「シェターニ同士が触れ合っている」といった、作品の本質に迫る対話も生まれました。


Salum, no title, 60x60 cm, enamel paint on board, 1980s (Tingatinga School)
Salum, no title, 60x60 cm, enamel paint on board, 1980s (Tingatinga School)
George Lilanga, Shetani, 70x200 cm, enamel paint on copper canvas, 1998, a demonstration work
George Lilanga, Shetani, 70x200 cm, enamel paint on copper canvas, 1998, a demonstration work

制作・発表会

ファシリテータ:イケヤシロウ氏〈ブルービート〉)

アフリカ伝統打楽器奏者・田北氏のジャンベ演奏が響く中、参加者はそれぞれのシェターニを制作しました。発表では、

  • 長い耳を持つシェターニが大切なものを右手に掲げ不要なものを左手に振り分ける

  • 自在に伸びる手足で多様な楽器を奏でる

  • 指が二本や三本であったり、目に陰陽を宿している

など、個性豊かで創造性あふれる作品が披露されました。


ミニトーク概要:ジョージ・リランガとシェターニ

アウラの森芸術舎 磯貝さおり

東アフリカ・タンザニアのマコンデの伝統のもとに生まれ育ち、黒檀彫刻を手がけていたジョージ・リランガは、「ニュンバヤサナー芸術の家)」での制作をきっかけに2次元表現へと移行しました。彼は古来より語り継がれる精霊シェターニを現代的に解釈し、そこにマコンデの思想であるウジャマー(人とのつながり・連帯・家族)を映し出しました。アフリカ古代からある創造の痕跡ロックアートの精神性を受け継ぎ、古代から現代、民俗から前衛を自在に行き来する独自の表現によって、リランガは世界的な評価を得ています。


視察とコメント

アーツカウンシルしずおか チーフ・プログラム・ディレクター 櫛野展正氏

当日は、アーツカウンシルしずおか チーフ・プログラム・ディレクター 櫛野展正氏にもご視察いただき、次のようなコメントを頂戴しました(一部抜粋)。

「本事業の価値は、#アフリカンアートを使った対話型鑑賞 による「想像」と、その後のワークショップによる「創造」の機会を参加者に提供している点にあります。アート作品を前にして、まず他者と対話しながら自由に「想像」を膨らませ、その後に自らの手で「創造」する一連の流れが、参加者の表現意欲を自然に引き出していました。」


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