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西アフリカの楽器「コラ」



マイ・コラとコラの起源等

筆者はマイ・コラをマンディング・グリオのカラモ・シソコ氏に製作していただきました。世襲制を採るグリオの楽器は奏者が作るのが昔からの習わしだそうです。コラはマンディンゴ特有の楽器で音楽的にはハープ・リュートに分類されます。その歴史は諸説あり、1623年、ガンビア川沿いを探検していた旅行家の文献ではコラに近い6弦の楽器を説明しています。しかしながら、グリオは文献にはないが、コラはもっと昔から存在していたと主張していますし、実際に著者はカラモ・シソコ氏からマリ帝国より前から存在しており、シソコ家がコラを発明した元祖と伺っていました。一説ではジン(妖精)からコラとその知識、構造、演奏方法を伝授された狩人Jali Madi Wulengがその弟子であるKoriying Musa Suso(つまりCissokho)と共にコラを広めたと言われています。著者はカラモ・シソコ氏から、川に浮かぶ島に住む神から命令をされてコラを作る材料(動物や植物)を集め、無事に製作して生きて帰れたのがシソコ家というお話を伺いました。シソコ家以外にも、現在、Kouyate (Kuyateh), Diabate (Jobateh), Konte (Kanute)がコラ・グリオの家系として知られています。著者のコラは、高さ約120cm、幅40cm、首の長さは80cmで、弦が22本あります(通常は21本)。胴体は瓢箪を半分にして、白い牛の皮を画鋲で止め、画鋲の模様はデコレーションを施します。サウンド・ホールは楕円形で、弦のスペア等をキープしたり、奏者は観客からのお代をいれておくそうです。チーク材のナイロンの弦をかけるネックと握り棒が2本あり、ネックには伝統的な革製の輪ではなく現代風に金属のチューナーが使われているため調音がしやすくなっていて、アンプ用のコンセントにもつながります。つまり、モダン・コラです。なぜか著者のチェンバロもモダン・チェンバロとよばれ、ピアノの強度を取り入れています。ネックの両脇にある握り棒に中指、薬指と小指をかけて、親指と人差し指でブリッジにかけられた左右合計21本の弦を弾く、叩く、止める動きをします。伝統的に4つのヘプタトニック・チューニングや現代的なチューニング方法も用いられます。左側の音階はF, C, D, E, G, B, D, F, A, C, E、右側の音階はF, A, C, E, G, B, D, F, G, A。奏法は、人差し指と親指が独立しているため、コラの演奏をマスターするのは難しいです。したがって、グリオの家では男子が生まれると、それぞれの楽器を早い年齢から学習することになります。女性として初めてコラ奏者となったガンビアのSona Jabartehも「私は伝統の一部であり、常に新しいものを伝統に吹き込む責任があります」とBBCのインタビューで答えています。

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