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コラ・グリオ カラモ・シソコ氏コンサート開催

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更新日:2023年6月22日

2022年11月26日、由緒あるマリーナを望む葉山にて、マンディング・グリオのコラ奏者、カラモ・シソコ氏によるアフタヌーン・コンサートが開催されました。アウラの森芸術舎Amamoto & Shiraishi Africulture Centreは、ミッション「Enhance Humanity through Art」(アートで人間性を高める)を掲げ、アフリカン現代アートとグリオ音楽を中心に活動を行っています。今回コンサートの会場を提供くださったカデンツァ株式会社オーナー様にこの場を借りて感謝いたします。


マンディング・グリオ音楽


マンディングとは主に西アフリカのマンデ系の人々であり、グリオはその西アフリカを中心とする「歴史家、語り部、賛美歌手、詩人、音楽家」です。歴史的にはマリ帝国(1226-1670)以前より存在し、王族専任の世襲制音楽集団でした。その膨大な歴史的知識は王より重用され、顧問としての役割も果たしまし、一人のグリオの持つ知識は図書館に匹敵すると言われました。グリオの楽器の一つであるコラの生い立ちは神秘的であり神と選ばれた人間により製作されたと伝えられています。21本の弦から奏でられる響きはハープに類似し、癒しの音楽です。ヒョウタンと昔は動物の腱を弦に使っていたそうです。奏者とコラは特別な精神的なつながりを持ち、演奏中はコラが奏者を導くとカラモ氏。カラモ氏は67代目コラ・グリオとしてセネガルに生まれ、これまで世界中を旅し、「マンディングの声」を伝えてきました。現在、日本在住。コラによる伝統音楽の音色はこちらからお楽しみください。


コンサート・プログラム


「現在、戦争や感染症、経済況など、様々な困難な状況に面していますが、グリオとして、現実を弾き、歌います」と冒頭でご挨拶されたカラモ・シソコ氏のプログラムを紹介いたします。


1.『Kaira』(平和) 2.『Zaman』(現在)

3.『Sanou』(ゴールド) 4. 『Dunia』(世界)

5.『Malouma』(恥) 6.『Diarabi』(愛)

7.『Manding』(マンディング)


それぞれの曲にはカラモ氏によるメッセージが書かれていました。例えば『Dunia』では、

「地球の反対側では水や食料、適切な医療がいきわたらず困っている人がいるというのに、なぜ世界では戦いや殺人がこんなにも多いのでしょうか。私は銃をもつことよりも、パンを配ることを選びます。」


コラ・グリオについて


13世紀初め、スンジャタ・ケイタの率いるマンディンカの人々がマリ帝国を切り開いた以前から、19世紀初めに植民地化、そして独立まで、グリオはスンジャタ叙事詩からネグリチュード運動まで、時代を代弁してきました。セネガルが1960年に独立したとき、初代大統領はネグリチュード運動の文学者レオポール・サンゴールであり、セネガルの国歌「コラを弾け、バラフォンを叩け」の作詞をしています。バラフォンもコラと同じく世襲制の音楽集団で、バラフォン・グリオと呼ばれます。何世紀にもわたって受け継がれてきた膨大なレパートリーは、想像を超えます。コラという楽器の成り立ちについて興味深い話をカラモ氏より伺いました。

昔(恐らく12世紀頃)、ある人間が川にある島に渡り、そこの神様と出合いました。神様は人間に動物の腱とヒョウタンをとってくるように命じ、人間はその通りにしました。そして神様はコラを作ったのです。他の人間が島に行っても無事に戻ることはありませんでした。その人間こそがシソコ家だと言われています。


(カラモ氏とコラ Courtesy K. Cissokho)


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